# 028
もはや何も無い世界
|
地球温暖化について レポート 地球温暖化とはどんなもの? 地球温暖化とは、その名の通り地球が暖かくなる事です。 そのことはみなさんもよく知っていると思いますが、このまま温暖化が進むと100年後にどのくらい気温が上昇するか知っていますか?IPCC(*)という組織の予測によると、少なくとも1.5℃、厳しい見通しでは5.8℃も上昇するかもしれないのです。 もしこれが現実になると、世界中の海岸の高さが今より9〜88cm高くなり、小さな島国などはほとんど海に沈没し、数百万人の人が生活できなくなるかもしれません。 また、地球温暖化は世界中で問題になっている「砂漠化」にも影響を及ぼしています。砂漠化により、日本でも「黄砂」(*)の被害が増え、他にも「アジアで食料が不足する」「オーストラリアやニュージーランドで雨が減る」「ヨーロッパで海面上昇が深刻になる」「アメリカの東海岸でハリケーンが増えて海岸の土壌侵食が進む」「世界各地でマラリアやデング熱(*)などの伝染病が流行する」などの危険性があります。 ここで一つ確かなのは「このまま温暖化が進めば地球の気候は取り返しのつかないことになってしまう」と言う事です。たったの100年の間に年の平均温度が1〜5℃も上昇するなんてことは、我々人類にとって前代未聞(*)の事態です。これだけ急に平均温度が上がれば動植物にとっての環境が変わり、絶滅種が現れたりして生態系に悪影響を及ぼす事は火を見るより明らかです。だからこそ、今のうちになんとかする必要があるのです。 なんで温暖化が起こるの? 結論から言うと、「温室効果ガス」が原因です。温室効果ガスには二酸化炭素・水蒸気・メタン・フロン・一酸化窒素などがあります。 と言っても、温室効果ガスがあること自体はいけない事ではないのです。「多すぎる」のがいけないのです。先ほど述べた通り、1万年前から今までの間、地球の温度は4〜7℃しか上昇していませんでした。温室効果ガスの量が安定していたためです。 しかし産業革命以降 人類は発電したり、車を走らせたりするエネルギーを得るために大量の「化石燃料」(*)を燃やして来ました。 その結果、適度なバランスで保たれていた二酸化炭素の量は急激に増加し、それが現在の地球温暖化の原因となっているわけです。 まず身近にできる対策から 地球は確実に温暖化に向かっている。世界気象機関は、二〇〇三年の世界の年間平均気温は、過去一千年間で三番目に温かくなるとの見通しを発表した。これ以上の温暖化は食い止めなければならないが、現実には世界の気温はじわじわと上昇し続けている。 温暖化の影響とみられる海面上昇が、世界各地で報告されている。特にさんご礁の島から成る南太平洋の国・ツバルは、三百―四百年後には水没するとみられている。 温暖化は地球環境や生物へ少なからぬ影響を及ぼしている。米農務省の調査では、異常気象などの影響で、〇三年の世界の穀物生産量は四年連続で消費量を下回り、このままでは世界的な食料危機に陥る懸念も指摘されている。 死者倍増の恐れも 「地球温暖化によって二〇〇〇年だけでも推定十五万人が死亡し、このまま放置すれば三十年後には死者が倍増する恐れがある」―世界保健機関(WHO)は、昨年十二月イタリア・ミラノで開かれた気候変動枠組み条約の第九回締約国会議(COP9)で、こう報告した。異常気象による熱波や、感染症、食中毒、栄養不良などで、多くの人命が奪われることになるという。 |